失敗例から学ぶ!3つの契約前チェックポイント

オンライン事務代行とは?導入前に知っておくべき基本

業務の効率化や人手不足の解消を目的に、多くの企業が導入を検討している「オンライン事務代行」。メール対応やデータ入力、請求書の作成など、これまで社内で行っていた事務作業を外部パートナーに委託することで、限られたリソースをコア業務に集中させることができます。とはいえ、「オンライン秘書」や「事務代行」といった呼び方の違いや、どこまで任せられるのかなど、不安を感じる方も少なくありません。まずは導入前に知っておきたい基本を押さえておきましょう。
違いよりも大事なのは「業務内容」の中身
「オンライン秘書」「事務代行」など、サービス名称は異なるものの、提供される業務内容に大きな差がないケースが多くあります。どちらもリモートで事務業務を代行する点で共通しており、社内の事務スタッフが行う業務の一部または全部を、外部の専門スタッフが担うという構造です。
大切なのは、呼び方ではなくどのような業務をどこまで任せられるかを明確にすることです。たとえば、スケジュール調整や出張手配などの秘書的業務から、請求書発行や経費精算といった経理的な業務まで、その範囲はサービスによって異なります。導入前には、自社で必要とする作業と照らし合わせながら、具体的な業務内容の確認を行うことが重要です。
また、サービスによっては業務単位での依頼ができる場合もあれば、時間単位や月額固定の契約形態を取っている場合もあります。こうした契約形態も含めて、実際に依頼したい内容がそのサービスにマッチしているかを事前に把握しておくことが、ミスマッチによるトラブルを避ける第一歩になります。
なぜ今、事務代行を使う企業が増えているのか?
近年、事務代行サービスの導入が進んでいる背景には、中小企業を取り巻く環境変化があります。特に、従業員数が限られている小規模法人や個人事業主にとって、社内で全ての事務作業をこなすことは非効率であり、人件費の負担も大きくなりがちです。
中小企業庁の調査[*1]によると、経営者の約60%が「業務の属人化」や「人手不足」を課題として挙げており、これを解消するためのアウトソーシングが注目を集めています。オンライン事務代行は、インターネットを活用して全国どこからでも支援を受けられるため、地方企業やリモートワークを導入する企業にも適しています。
さらに、固定費としての人件費を削減しつつ、必要な時に必要な分だけプロに依頼できるという柔軟性も評価されています。こうした理由から、事務代行は単なる「コスト削減」の手段にとどまらず、経営資源の最適化ツールとして導入されているのです。
事例に学ぶ!業務委託のトラブル3選

オンライン事務代行は便利なサービスである一方、導入後に「思っていたのと違った…」という声が少なくありません。その多くは、契約前の確認不足やコミュニケーションのすれ違いによって起こっています。ここでは、実際に起きやすい業務委託トラブルの典型例を3つ紹介します。導入前のチェックポイントを把握するうえでの参考にしてください。
対応の遅さによる業務遅延
よくあるトラブルのひとつが、「依頼した業務の対応が遅く、社内の進行に支障が出た」というものです。特に納期のある仕事や、請求書発行など月末処理に関わるタスクは、タイムラグが致命的になるケースもあります。
原因として多いのは、サービス側とクライアント側の「対応スピードに関する認識のズレ」です。たとえば、クライアントは「当日中に対応してもらえる」と思っていても、サービス提供者側は「3営業日以内」といった内部基準を設けていることもあります。
これを防ぐには、あらかじめ「どの業務は何時間以内(または何営業日以内)で対応されるのか」を明文化し、合意しておくことが重要です。また、急ぎの案件には追加料金が発生するかなども確認しておきましょう。
守秘義務違反による信頼喪失
経営者の中には、「外部の人に機密情報を扱わせるのは不安」と感じている方も多いでしょう。実際、顧客情報や取引先とのやり取りなど、事務代行に委託する業務には機密性の高い内容が含まれます。
守秘義務違反の多くは、意図的な情報漏えいというよりも、取り扱いルールの不備や、セキュリティ意識の低さが原因です。たとえば、クラウド上で資料共有する際に、アクセス権限の設定を誤って第三者に公開してしまうなどのケースも報告されています。
このようなトラブルを防ぐには、NDA(秘密保持契約)を結んでおくことはもちろん、「どんなふうに情報を取り扱っているのか?」といった点を確認できる質問項目を事前に用意しておくと安心です。こちらから聞く姿勢を見せることで、相手の対応力や意識も見えてきます。
業務範囲の認識ズレによるミスマッチ
「それは対応外です」と言われて初めて、自社の期待とサービスの提供内容がズレていたことに気づく。これも非常によくあるトラブルです。オンライン秘書・事務代行のサービスは多岐にわたり、提供会社ごとに業務の幅や対応範囲が異なります。
たとえば、「SNSの投稿代行までお願いしたかった」「決算関連の補助作業もしてほしかった」といったケースでは、そもそもサービス対象外であることが多く、導入後にギャップを感じる原因になります。
このようなミスマッチを防ぐには、契約前の打ち合わせ段階で、「自社が依頼したい業務リスト」を用意し、1項目ずつ対応可否を確認するのが効果的です。また、必要に応じて業務内容に応じたカスタマイズ契約が可能かどうかも、あらかじめ確認しておきましょう。
契約前に確認すべき3つのチェックポイント

事務代行サービスの導入でトラブルを避けるには、契約前の確認が極めて重要です。サービス内容や対応体制、契約条件について曖昧なまま進めると、後々の業務に支障をきたす可能性があります。ここでは、導入前に押さえておきたい3つの主要なチェックポイントをご紹介します。これらを事前に確認することで、スムーズでトラブルのない運用につながります。
業務範囲と期待値を明確にする
「どこまでやってくれるのか」「どんな手順で対応するのか」といった業務範囲の確認は、最初に行うべき重要ポイントです。サービス提供者によって対応可能な業務内容は異なり、得意分野や対応体制にも差があります。
また、依頼する側が「これくらいは当然やってくれるだろう」と思い込んでしまうと、実際に稼働が始まってから齟齬が生まれやすくなります。そのため、契約前には「自社でお願いしたい業務リスト」をあらかじめ作成し、1つずつ対応可否を確認しておくのがおすすめです。
さらに、「どのような成果物がどのタイミングで納品されるのか」といった期待値(品質・スピード・納期など)も、相互にすり合わせておくと安心です。
対応スピードや連絡体制を確認する
「事務作業が滞り、社内の業務全体に影響が出た」というトラブルの多くは、対応スピードのズレから発生します。とくに急ぎの対応や締め切りのある業務では、連絡体制やレスポンス速度が重要な判断基準になります。
契約前には、以下のようなポイントをチェックしておくとよいでしょう:
- 通常の対応時間帯はいつか
- 緊急時の連絡方法はあるか
- 平均的な対応スピードはどの程度か
また、チーム体制で運用しているサービスであれば、担当者の引き継ぎ体制やナレッジ共有の仕組みについても確認しておくと、急な担当変更にも安心して対応できます。
契約書・NDAでトラブルを防ぐ
業務委託においては、口頭やメールだけの合意ではなく、正式な契約書を取り交わすことが基本です。とくに事務代行では、継続的なやり取りや機密情報の共有が前提となるため、書面での取り決めがトラブル防止につながります。
特に業務範囲や対応内容に関わる部分は、誤解が生じやすいため、事前に認識をすり合わせておくことが大切です。書面に記載されている内容に不安があれば、遠慮せずに確認を入れておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。
まとめ:信頼できるパートナー選びのコツ

オンライン秘書・事務代行サービスは、業務の効率化やコスト削減に大きく貢献してくれる存在です。しかし一方で、「対応が遅い」「業務範囲で認識のズレがあった」などのトラブルが発生するリスクもゼロではありません。特に小規模事業者にとっては、ひとつのミスが全体の業務に影響を及ぼすこともあるため、事前の準備と相手選びが重要になります。
失敗を防ぐためには、「どの業務をどのように任せたいか」を明確にし、業務範囲や対応スピードについて具体的にすり合わせることが第一歩です。また、契約内容を一方的に受け入れるのではなく、気になる点は遠慮せずに確認を行い、信頼関係の土台を築いておくことが、安定的な運用につながります。
比較検討の段階では、つい料金やサービス内容の違いばかりに目が向きがちですが、実際に重要なのは「自社と相性の良い運用スタイルかどうか」です。自社にとっての“頼れる外部スタッフ”として、安心して任せられるパートナーを見極める視点を持つことが、成功への近道になるでしょう。
参考リンク
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